東京大学名誉教授の渡辺努氏はロイターのインタビューで、来年の春季労使交渉で前年並みの賃上げが見通せれば、日銀が年内にも利上げスタンスを積極化し、市場が想定する半年に1回から四半期に1回程度の利上げに転換する可能性があると述べた。渡辺氏は基調的な物価上昇率が2%にかなり近づいており、日銀は基調物価が2%を超えるリスクに警戒を強めていると指摘。従来の緩やかな利上げペースでは来年7月ごろに基調物価が2.2%程度に達し、その後2%に抑え込むために政策金利を2.5~3.0%程度まで急ピッチで引き上げる必要が生じる恐れがあると分析した。日銀が能動的な政策運営に切り替える転換点として来年の春闘を挙げ、賃上げが前年並みとの見通しが立てば、12月の大幅利上げや利上げ間隔の短縮などで姿勢を示す可能性があると述べた。また、政府がデフレ脱却宣言を出し共同声明を見直すなど利上げけん制姿勢を変える必要があるとも指摘した。