中国人民元は過去20カ月で対ドルで約9%上昇し、3年半ぶりの高値を付けたが、輸出企業を支えるため当局が上昇ペースを抑えており、市場関係者は年内の上昇余地が小幅にとどまるとみている。市場参加者は当局が人民元高を抑制している兆候として、市場出来高の減少、輸出企業によるドル売りの縮小、中国人民銀行が毎日設定する基準値を挙げる。世界の投資銀行12行による年末の人民元相場の予想中央値は1ドル=6.68元前後で、31日の6.72元と大きく変わらない。JPモルガン・アセット・マネジメント(上海)の朱超平氏は「人民元が割安なのは確かだ」としつつも、「年末までに上昇余地があったとしても、大幅なものにはならない」と述べた。人民銀は2025年11月以降、基準値を市場予想より元安水準に設定しており、今月は乖離幅を拡大させている。関係筋によると、国有大手銀行は国内市場で繰り返しドル買いに動いており、当局が元高を抑えようとしているとの観測を強めている。長期的には元高が避けられないとみるアナリストも多く、ゴールドマン・サックスは12カ月後の人民元相場を1ドル=6.4元と予測している。