来年のフランス大統領選に挑む急進左派「不屈のフランス(LFI)」のジャンリュック・メランション氏が、同国中央銀行が保有する国債の帳消しを再び主張している。ルコルニュ首相は、投資家の信頼を損ねる、自らの首を絞める行為だと批判した。巨額の債務・財政赤字を抱えるフランスは、その対処法を巡る対立が政局を生む構図となっている。メランション氏は、選挙活動で「フランス銀行が保有する18%の国債を取り上げて、火にくべるだけでよい」と主張し、これによりGDP比116%を超える公的債務の表面的な比率を引き下げ、公共支出を拡大する余地を生み出すとしている。ルコルニュ首相は「純然たる詐欺」と表現し、26年に3100億ユーロ(3610億ドル)を調達する必要があるフランスが債務の支払い約束を反故にすれば、誰も資金を提供せず、法外な金利を要求されるだろうと警告した。仏中銀はコメントを控えているが、ビルロワドガロー前中銀総裁は以前、帳簿上の国債を帳消しにすればフランスはユーロ圏にとどまることができなくなり、中央銀行は巨額の損失を抱え、その負担を納税者に強いることになると述べている。一方、左派系投資銀行家マチュー・ピガス氏はメランション氏を支持し、仏中銀が保有する国債は「いかなる経済的、金融的影響もなしに」帳消しにできると述べたが、IMFチーフエコノミストだったオリビエ・ブランシャール氏は「馬鹿げている」と反論し、誤った解決策を提案し、誤った期待を抱かせることは無責任だと述べた。