トランプ米大統領は、カナダとの貿易摩擦を巡り「かなり近いうち」に合意が実現する可能性があると述べ、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)からの離脱観測を打ち消した。ダブリンでアイルランドのマーティン首相と会談した際、記者団からUSMCA離脱の考えを問われ、メキシコとは「素晴らしい関係」にあり、カナダとも実際には良好な関係にあると語った。トランプ氏は、カナダが米国の農家に「400%の関税」を課すなどしていると指摘し、そうした措置を見直し高率の関税を撤廃する必要があると主張した。両国の対立は関税問題にとどまらず、自動車など主要産業が依存するサプライチェーンを脅かすまでに拡大しており、8月の包括的な貿易協議が土壇場で決裂した後、トランプ氏は数十億ドル相当のカナダ製品に50%の関税を課し、カナダのカーニー首相は9月8日に報復関税を発動して多くの米国製鉄鋼製品への関税を25%から50%へ引き上げた。ただカーニー氏は最近、米国の最新措置による影響は全体として「限定的」だとして、新たな報復措置を取る可能性が低いことを示唆しており、両国が緊張を和らげ対立の出口を探っているとの期待が高まっている。カナダとの貿易戦争は11月の中間選挙を控えるトランプ氏にとって重大なリスクとなっており、関税の応酬は有権者が懸念する物価高をさらに悪化させ、上院選で特に注目されるミシガン州などカナダと国境を接する州の共和党にも逆風となる可能性がある。